有限会社 日事連サービス 事故事例集
事故事例集
■事故事例集とよくある質問(Q&A)を記載しております。ご参考にどうぞ
事故事例集
過去の事故記録の中から16の支払事例を抽出し「事故事例集」として纏めました
建賠保険の機能の理解や、万一の事故の際の保険会社の対応あるいは判断の道筋など、今後の皆様の事務所のリスクマネジメントに役立てていただけそうなものばかりです。皆様の事務所のトラブル予防の一助になればと思います。
「日事連・建築士事務所賠償責任保険 事故事例集」掲載事例一覧
建賠保険よくある質問(Q&A)
日事連・建築士事務所賠償責任保険は、建築士事務所の経営に欠かすことのできない大切な保険です。
しかし、この保険は、国家資格をお持ちの専門家であるみなさまの職業上のリスクに対応しようという、とても特殊な保険なのです。
そこで、この保険をご理解いただくためのツールとして、Q&Aをご用意いたしました。どうぞお役立てください。
また、このほかに何かご質問がございましたら、どうぞお気軽に日事連サービスまでご照会ください。
以下は、これまでに日事連サービスに寄せられたご質問と、これに対する回答のなかから特に重要と思われるものの要点を集約したものです。保険約款の条文は概して難解ですから、その理解のための一助になれば幸いです。
A
必ずしも裁判にならなくとも構いません。「法律上の」ということは「法律の条文に照らして考えたならば」と解釈していただければよいわけです。極端に言えば相対の話し合いでもよいわけです。 但し、単に道義的に気の毒だからという判断基準ではダメで、あくまでも「法的に考えて」ということです。いずれにしても、引受保険会社の承認を得ないで被保険者側で示談をされた場合には、示談金額の全部または一部を保険金としてお支払いできない場合がございますのでご注意ください。事故の発生を知ったときには、遅滞なく代理店、保険会社へ報告する。これが原則です。
A
「滅失」とは、建築物がその物理的存在を失うことをいい、紛失、盗取、詐取および横領を含みません。「破損」とは、建築物が予定または意図されない物理的、化学的または生物学的な変化によりその客観的な経済的価値を減少させることをいいます。
A
機能的不具合、つまり空調の効きが悪いとか、音がうるさいといった設計ミスにより「当該建築物に滅失・破損」の発生していない事故に関しては、この保険では原則的に保険金支払いの対象とはしないことにしてきました。(対人事故等、一部対象となる場合もあります。)
それは、
【1】機能的な不具合の多くは、客観的にそれを判断することが難しい。
【2】もし、機能的不具合を補償することにすると不当利益を生じやすい。
つまり、最初から性能の低い安価な物を設置し、事故を起こして、保険を利用してより良い設備にしてしまうことができる。
といった理由から、当事者の感覚的な主観が入り込み易い問題を、基本的に保険の対象から外してしまおうという、保険運営上の判断です。 しかし、なかには、カロリー計算のミスにより空調の 効きが悪いといったように、計測等により客観的に証明可能な問題もあります。 この保険では、1事故500万円、保険期間中1,000万円の支払限度額を設定して、給排水衛生設備・電気・空調設備ならびに、遮音性能(但し、住宅に限る)が所定の技術基準を満たさずに本来の機能を著しく発揮できない状態となったことに起因する損害に関しては、特約により補償対象としています。
A
保険事故としての認定条件には、
(1).設計業務の遂行時にこの保険に入っていること。
(2).その後事故の発見の日まで引き続いてこの保険に入っていること。
という時間的な規定があります。初年度契約にこの規定をそのまま当てはめると、初年度契約の保険期間開始以降に遂行する設計業務だけが保険の対象となりますが、この契約においては、初年度契約の補償開始日からちょうど1年遡った応当日以降に、引渡しの行われた設計図書に起因する損害を対象とする趣旨の特別な規定が設けられているのです。
なお、この規定の考え方は、補償内容の変更が行われた際にも、その変更の効果が及ぶ期間について準用されます。例えば、日事連では平成12年4月1日より、「建築物の滅失・破損に起因しない身体障害担保特約」を開発しましたが、この特約の規定は、1年遡った平成11年4月1日以降に、引渡しの行われた設計図書に起因する損害を対象に適用されます。
A
2トン以上の加重がかかることを分かっていながら、建築費との関係で、1.8トンの計算で設計し、そのために事故が起きてしまったとか、過去に事故を体験しているにもかかわらず、当該事故と同様な設計を行い、同様の事故を起こしてしまったといった場合が想定されます。
A
材料の適・不適、特に、その強度についてもし、問題が発生すれば、国家資格を持つ専門職業人としての建築士の責任は重いと考えられます。施工業者が材料の選定をしたとしても同様ですが、全面的に責任を負う必要はないにしても、設計事務所としての責任の分担は避けられないでしょう。この保険でも、事務所の負うべき応分の責任について対応できると考えます。
A
保険では、「法律上の賠償責任を負う」ことによる損害に限定して補償することになっており、建築士事務所の業務上発生したミスで、法律に照らして責任を負わなければならないと判断され、なおかつ保険約款上の規定にも適合するケースだけが、補償の対象となります。商習慣とか道義的判断といった基準で契約上結ばれた約束は、当事者間の「特別の約定により加重された賠償責任」と判断され、免責とされます。このことは賠償責任保険普通保険約款第8条①に明記されています。「一切の責任」という表現に、そのまま対応することはできません。
A
構造事務所における業務は、設計業務の中で大変重要な部分ですから、もちろん保険に加入することは可能です。ただし、建築士事務所登録のあることが条件となります。なお、構造計算書も約款で規定する設計図書の中に含まれると解釈されております。
A
残念ですが出来ません。
A
事務所の会計処理基準に従って、報告して頂ければよいと思います。つまり受注した年度に一括計上するときには、その年度の設計料・監理料とし、各年度に分割して計上するときには、その年度の分割計上分だけ算入してください。この際の保険期間との関係ですが、補償の対象の業務に該当するか否かはあくまでも設計図書の引渡し時期により判断されます。 例えば保険期間中に設計図書が引渡されたが、設計料はその保険期間中に計上されていないといった場合でも、その設計業務が初年度契約の補償開始日の1年前の応当日以降に遂行された場合は、その業務は補償の対象となりますのでご安心ください。
A
事務所廃業前に遂行された設計業務に起因する損害が、廃業後に発見された場合に備える「廃業担保特約をセットした建築家賠償責任保険」に加入されることをおすすめします。廃業前5年以上の継続加入実績があれば、保険契約期間の終了後も10年間は補償が自動延長されます。さらに詳しくは日事連サービスにお問い合わせ下さい。ただし、対象は団体契約にご加入の建築士事務所のみに限らせていただいております。
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